学校祭などの行事に主催者側の一員として関与すると、安全確保のために主催者が負うべき義務が多くあることに気が付きます。屋台などで火を扱う場合には消火栓の設置が必須ですし、地震や火事が発生した場合に備え避難経路・避難場所・連絡体制の確保、急病人や怪我人が出た場合に備え救急箱、近隣病院への移動手段・経路の確保が必要ですし、学校行事の特徴として誰の保護者がお医者様かといった情報をも確認していました。

同じように学校施設内に設置されたAED(自動体外式除細動器)の設置場所を改めて確認・周知することも安全確保の一部とされていました。

AEDの設置場所を確認していていつも気になるのが、有事の際に適切に操作できるのだろうか?ということです。当然、教職員の方々はAED操作を熟知されているのですが、保護者である我々ははたしてどうだろう?という思いは拭えません。毎年の様にAED講習の必要性が話題に上がりながらも、私が役員を担っていた間に保護者向けのAED講習が実現することはありませんでした。

 

講習会で初めて知った心肺蘇生

会社務めをしていると会社でAED講習を受講することができる場合があり、私自身も数年前に受講した経験があります。受講するまではどこかのドラマで見たような「心臓を挟むようにふたつの電極パッドを胸に貼り、電気ショックを与える」という程度の知識しかありませんでしたが、実際に受講してみると胸骨圧迫時の力の入れ方(汗がにじむほどの力が必要)や、やむを得ず未就学児童に使用する場合の電極パッドは胸に2箇所ではなく、胸と背中に貼って使用する、など初めて知ることが多くありました。(参考:東京消防庁 心肺蘇生の手順

帰宅後に、当時中学生だった子どもにAED講習での気付きについて話をしたところ、ごくごく普通に「知っているよぉ、学校で毎年定期的に講習受けてるから」との返答でした。それを聞いて保護者よりも子どもの方がずっと頼りになるのかもしれないなぁと思っていました。

 

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業務上過失致死??AEDは使用しなかった・・・

先月、新潟県の高校で野球部のマネージャーをしていた女子生徒(16)が練習の後に倒れて意識不明となり、入院先の病院で亡くなるという悲しい事故がありました。死因は低酸素脳症とのこと。

駆けつけた監督は「少しだが呼吸がある」との判断からAEDを使用しなかったと報じられており、一部ではAEDを使っていれば助けられたのではないかとも言われています。現在、熱中症対策等の指導上の問題がなかったかも含め、業務上過失致死を視野に入れた調査が行われています。

心停止の判断基準は改正されていた

このニュースはAEDの操作方法だけでなく、どのような状況でAEDを使うべきなのかを改めて問うている様にも思える出来事でした。従来、心停止の判断基準は「呼吸が無ければ心停止→AED使用」が一般的な理解だったはずです。しかし、この基準は2015年に改正されていました。

 

2010年版 心停止の判断:普段どおりの呼吸が見られない場合は心停止と判断する。

2015年版 心停止の判断:普段どおりの呼吸が見られない場合、又はその判断に自信が持てない場合は心停止と判断する。

おそらく「普段どおりの呼吸」が曖昧だったのでしょう。最新の基準では「迷ったら心停止と判断」が追加され、AED利用を含めて心肺蘇生を施すこととなっています。

心肺蘇生を施すべきか否か、胸骨圧迫、AEDの正しい利用法など、一連の流れをしっかり把握し、若い生命が少しでも多く救われることを切に願います。

そしてPTA役員の様な立場にある方には子どもの安全確保の一環としてぜひ応急手当の重要性をご認識いただき、未実施であれば保護者向け講習会を開催されることをお薦めします。講習会は公益財団法人 東京防災救急協会などで実施しています。

 

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