保護者代表として役員に選任され活動する以上、他の保護者の方と比べて何らかの負担・責任が生じるのは必然です。それでは、昨年の役員さん、数年前の役員さんと比べた場合、その負担は同じと言えるでしょうか?実は、年々、役員さんのご負担は少しずつ増えているのです。それは何故か・・・?

原則として役員さんに課される最低限の役割は「昨年と同等の事をこなす」こととなります。(個人的には昨年よりも楽をすることがあっても良いと思っていますが。)これはある程度前年度までの活動報告が引き継がれる状況があれば決して難しいことでは無い様に思えますし、もし前年度から続けて役員をされている方がいらっしゃれば、さらに”昨年と同等”の実現は容易なものとなるかもしれません。しかし、実はこの引継ぎにこそ、役員さんの負担を増やす原因が内在しているのです。

引継ぎ事項の基本要素は、以下の様に整理されるべきと考えます。

① 役割とその分担(係り決め、担当者)

② スケジュールとタスク(いつ、何をしたか)

③ 結果報告(売上や客観的評価)

これだけが引き継がれていれば、この引継ぎ事項を倣うことこそが役割の遂行となり得ますが、私が見てきた多くのケースでは必ずと言って良いほど、もうひとつの要素が足されています。それは・・・

④ 感想、反省点

役員さんご自身の活動に対する感想、反省の類が引き継がれるのです。

「当初、責任を果たせるかどうかとても不安でしたが、周りの方に助けていただき何とか役割を全うすることができました。終わった時には大きな達成感、喜びを感じました。」(感想文)

「ただ、もっと早く準備していれば直前に慌てずにすんだかもしれません。」(反省文)

「風雨対策はもっとしっかりした方が良かったと思います。」(反省文)

これらを引き継ぎ事項に加えてくださった方には善意しかありませんし、達成感を得られる活動であると残していただく事は次の役員選びの際には必ず好材料となります。でももし、新年度に役員になられた方がこれらの反省文を目にしたら何を思うでしょう?「今年はもっと早く活動に着手しなければならない」、「今年こそ風雨対策を強化しなければ」と思うのが普通です。そうして今年の役員さんは昨年の役員さんよりも「やらなければならないこと」が増えるのです。

役員経験のない方がこれを読んだとき、もしかしたら「他の仕事を減らせば良い」、「反省文なんて無視すれば良いのに」とお考えになるかもしれませんが、初めて役員になられた方が昨年やっていたことを止めましょうなどと言える訳がありませんし、先輩役員の反省文を無視できる様な豪快な方も決して多くはありません。

全てが「良かれと思う善意」で進められているだけなのに、結果的には役員さんの負担が増え続けるという悪循環になるのが保護者会の特性なのです。本質論を言えば、原則的に単年度の活動であること、保護者同士という微妙な関係性の中で生じる大人の遠慮に起因しているとも考えます。

では、役員さんのご負担を軽減するためにはどうすれば良いのでしょうか?

保護者会でもPTAでも、会長を筆頭に、企業でいう所の執行部の様な方々がいらっしゃるはずです。この方々が上記の構図をちゃんと理解し、場合によっては思い切って仕事を減らす、あるいはあるおひとりの感想、反省が活動全体から見た場合に、役員ひとりが負うべきものか否かを判断し、活動方針を示してあげるといった大ナタを振るう必要があります。そして並行して昨年と同等の成果を、昨年よりも小さな負担で実現する術を模索すべきです。(このサイトで記述しているITの活用もその一例です。)

そして一番最後に気になるのは、会長さんや執行部の方々の負担はどうするの?という点です。会長さんだって所詮ひとりの保護者でしかないのですから、そこまで負担を負わせてよいものかどうか、実に悩ましいところですから、個人的にはご自身で判断いただくしかないと思っています。

前述の様な大ナタを振るうほどの役割変更は、毎年行う必要は無く、数年に一度、役員の負担が大き過ぎると感じる会長が現れて、小さな改革を実行してくれればそれで良いのです。もしもそのような会長さんが現れない年に役員になられた方は、ちょっぴり運が悪かったと思って一年をうまく熟すことを心からお勧めします。

スポンサードリンク