2017年8月4日

ビジネスマンは営利を目的に活動しています。有形、無形を問わず、何らかの商材を提供し、その対価を得ることを生業としています。そこには営業目標としての売上、利益率、あるいはマーケットシェアなどの明確な指標が存在し、皆が自社、自部門の合意された数値目標へ向かって日々活動しています。そこには、「なぜ売上が必要なのか?」「なぜ企業が存続しなければならないのか?」といった疑念を挟む余地はありません。それが企業活動だからです。

以前、ある方から「アメリカ社会で認められるビジネスマンの3つの条件」という話を聞いたことがあります。その方も別の方の受け売りだと言っていましたが、なかなか興味深い話でした。

① ビジネスで成功していること

② 家庭が円満であること

③ 非営利活動に従事していること

 

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①、②はやや抽象的な印象ですが、周囲から見える様が成功、円満であれば、とりあえず良しとします。面白いのは③です。

非営利活動の解釈は様々ですが、ここではビジネスとの対比として、営業目標の様な皆で掲げるべき数値目標を持たない活動であり、活動による対価を求めない活動と解釈します。端的には「慈善活動」「社会貢献」と同義です。

ちなみに、いわゆる富裕層、スーパーリッチと呼ばれる方々の慈善活動、社会貢献は多額の寄付、または投資と合わせて、「フィランソロキャピタリズム(Philanthrocapitalism)」と言いますが、ここで私が取り上げているのは、もう少し敷居の低い、参画の容易な活動を意味しています。

北米企業において、ある程度のポジションに就くビジネスマンは、必ずと言って良いほど非営利団体で要職に就いていると言うのです。公立図書館の理事、公共事業のオブザーバー、そして子どもの学校の保護者会などがこの非営利団体に該当します。

 

ビジネスの成果と非営利団体の成果は根本的に異なり、前者が期限を伴う数値目標の達成であるのに対し、後者は明確な期限の無い中で定性的効果を追求している傾向があります。PTAや保護者会で言えば、子どもたちの幸せ、安全確保、教育環境の充実、といった活動目標が掲げられることとなり、少なからず個々の解釈に差異が生じることとなります。ある人は学校の警備を強化すべきと考えるかもしれません。またある人は子どもの笑顔や挨拶を指標に子どもの幸せを量ろうとするかもしれません。施設に植物の緑を増やして自然に触れられる環境を増やすべきだと言う人もいれば、運動会により多くの来賓を招くことが教育環境の充実に繋がると言う人もいるでしょう。どれをとっても、一概に正解とも不正解とも判断のできない、意見が発散した状況が想像されます。

「情けは他人の為ならず」

つまり、非営利団体で成果を上げるということは、特にビジネスマンにとっては不得手な領域と言えるのです。逆に、非営利団体においても成果を上げられるビジネスマンは、充分に評価に値する資質があると言えるのではないでしょうか。

日本のPTA、保護者会に限って言えば、その構成員の多くがお母様であり、ビジネスマンの参画はまだまだ少ないと言えます。(ビジネスマンのお母様もいらっしゃいますが)

 

私はビジネスマンだからこそ、非営利な活動に従事してみるべきだと思います。そして非営利団体での活動が評価される域に達したとき、本業であるビジネスにおいても時に生じる定性的な目標を達成する術が身に付いていることでしょう。事前事業、社会貢献とはそうして自分に還ってくるものだと思います。

 

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